今週末はいくつか映画を見たので、メモがてら感想文を書いてみます。
[タイトルと概要]
エイリアン: コヴェナント(Alien: Covenant)
2017年公開のリドリー・スコット監督による作品。前作の「プロメテウス(Prometheus)」の続編。
[あらすじ]
宇宙への移住計画のため惑星オリガエ6へと向かう途中、正体不明の信号を受信したコヴェナント号は、進路を変え信号の発信元と思われる惑星へと向かう。
[ネタバレと感想]
宇宙に移住するために、人類をハイパースリープにしたり、受精卵を冷凍保存して持っていくあたりは理解できるけど、スリープさせた人間を、わざわざ宙吊りにしてるのがよくわからん。映画が始まってすぐに、ニュートリノ爆発に巻き込まれて宇宙船が破損するのですが、宙吊りにされたカプセルがぐらぐら揺れまわって、思いっきり壊れてるし。設計ミスでは?
船の修理中、謎の信号を受信。信号は、前作プロメテウスの主人公であるエリザベス・ショウ博士からのものでした。前作のラストで、人類の歴史を探るべくエンジニア(=人類の創造主)の母星を目指していったのですが、行方不明ということになっているようです。
その信号の発信元を、超技術で特定することに成功したが、その惑星に行ってみようと言い出す始末。綿密に計画された移住計画で、目的地となる惑星も決まっていたにもかかわらず、どうしてそんな決断をするのか。人類滅びかけてるのに、そんな単純に計画を変更していいものなのか?
で、正体不明の惑星に上陸するわけですが、決断早すぎじゃね?
遠く離れた地球から惑星を調べるだけの技術があるにも関わらず、軌道上から惑星の様子やらを調べることもせず(結果、嵐に巻き込まれて帰れなくなる)、微生物・細菌・ウイルスの類も気にせず、防護服なしで降りてしまうという無能。前作のプロメテウスでは、一応防護服を着ていったはずだけど。
で、上陸してみると、さっそく二人が謎の病気を発症(言わんこっちゃない)。やべーやべー言いながら、船に連れ帰ると、体からエイリアンが出てきちゃう。パニックになりながら、銃で撃ちまくっていると、貨物に引火して上陸船は木っ端みじんに。
もう一人は、連れ帰る途中でお亡くなりに。エイリアンに囲まれてしまったものの、謎の人物が助けに入る。これは、前作プロメテウスで登場したアンドロイド・デイヴィッド でした。前作では、エンジニアに首ちょんぱされていたはずですが、ショウ博士が修理して直したらしい。超技術の塊であるはずのアンドロイドなのに、そんな簡単に修理できるものなのかね?
彼曰く、ショウ博士と惑星にたどり着いたものの、彼女は墜落の衝撃で死亡したとのこと(この時点で、若干嫌な予感がし始める)。
で、やっぱり嘘だと判明。
デイヴィッドは、やっぱりイカれたアンドロイドで、ショウ博士は、解剖されて地下室に保存されていました。彼は、自分が創造主となるべく、エンジニアの作った生物兵器をもとに、さまざまな生物で実験をしていました。今回の舞台となった星は、実はエンジニアの母星で、そこに住んでいたエンジニアたちは、デイヴィッドによって殺されていたのです。デイヴィッドは、エンジニアの作った生物兵器で母星を絨毯爆撃し、それによってエンジニアたちは壊滅。
空中に散布された生物兵器の影響で、星に住む生物が突然変異して、植物以外の動物をエイリアンに変えてしまう、という設定のようです。
じゃあ、上陸した全員が感染しないのはなぜ?ということは聞いてはいけません。脚本です。
コヴェナント号には、デイヴィッドと同タイプのアンドロイド・ウォルターがいて、ウォルターは人間を守るべくデイヴィッドと戦い始めます。ウォルターがマウントポジションをとって、とどめを刺す直前でシーンが突然変わります。
はい。案の定、二人は入れ替わります(こんなん、バレバレじゃないか。。。)
なんとか宇宙船に戻ったものの、やっぱり、エイリアンが紛れ込んでいて、宇宙船の搭乗員を次々虐殺していきます。ここら辺は、エイリアンシリーズのお決まりといった感じで、すごくよかった。エイリアンの主観の映像に切り替わったりと、CGと撮影技術の進歩を感じさせます。
そして、主人公のダニエルズとパイロットのテネシーが生き残り、エイリアンを宇宙に放り出して終了。ダニエルズが再びハイパースリープに入る直前、ウォルターだと思っていたのがデイヴィッドだと気づくものの、時すでに遅し。デイヴィッドはコヴェナント号にエイリアンを持ち込むことに成功し、エンディング。
[批評]
エイリアンシリーズの本質は、神出鬼没のエイリアンに絶望しながらも戦うことにある、と思っているので、なんだかなー、といった感じ。設定もガバガバだし。前作も色々と酷かったけれど、タイトルに「エイリアン」とついていなかったので、まあいいか、と思っていたのですが、今作に関しては、いかがなものかなと思いました。
もしかすると、アンドロイドとか人工知能に対して警鐘を鳴らすためのものなのではないか、とも深読みしました。実際、ロボット三原則を平気な顔して破ったり、自分で自分の腕を切り落としたりと、すごいキャラクターとして描かれています。
そんなAIが、現実に生み出されないことを切に願います。